開催主旨並びに開催宣言

マザーガイア・サミット開催に至る経緯と、
誰もが一人から実践してゆくことの出来る、新しい村おこし・ 町おこしから
理想郷の建設に向けて立ち上がる時代が到来していることを提言するとともに
記念すべき第1回サミットの開催をここに宣言いたしました。

開会主旨並びに開催宣言/発起人 中村仁美

開会主旨並びに開会宣言/発起人中村仁美

発起人写真、シンポジウム風景、宮島写真)

本日は、この宮島でのサミットに全国からお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日のマザーガイア・サミットの開催に至る経過につきまして、皆様にご紹介させていただきます。

1963年から10年間に渡り、ギリシャ・エーゲ海の船上で世界を代表する学者・実務家・建築家などが、世界の急激な人口爆発にともなう、都市問題を初めとした世界の諸問題を解決し、地球上における人間の居住をどうするのかについて総合的・学際的な枠組みを研究提案するための会議が開催され、最後の開催地となりましたデロス島で、デロス宣言として研究がまとめられました。

10年間に渡る議論がデロス宣言としてまとめられた成果は、1976年にバンクーバーで開催された第一回国連人間居住会議に大きな影響を与え、後にケニアのナイロビを本部とする国連人間居住計画・ハビタットの設立へと繋がることとなりました。

その後、デロス宣言の意志は、「人間居住の科学」として世界の研究者に引き継がれ、日本では、デロス会議メンバーの故磯村英一氏が第一人者として活躍され、磯村氏は、1996年にイスタンブールで開催された第二回国連人間居住会議に向けて尽力されました。磯村氏は、人間が人間としての尊厳性を守りながら、民族、宗教を超えてお互いに平和に生きてゆく事のできる理想社会の実現に向けて、世界の英知を結集した新しい「世界デロス会議」を開催し、デロス会議に次ぐ地球会議の実現を提案されておりました。

先ほど上映させて頂きました映像に見られましたように、近年、世界の約2500人の学者による地球白書のレポートがまとめられ、国連を初め世界各地で地球レベルに拡大する諸問題解決に向けた討議が行われていることは皆様ご存知のとおりですが、その具体策にも関わらず、環境破壊問題や食糧問題を初めとする世界の諸問題は、急激な人口増大とともに日々深刻化の一途を辿る傾向にあり、地球上では、毎日約6千人以上の子供たちが尊い命を失っています。   

今回のマザーガイア・サミットは、これまでのような会議で議論され尽くしてきた諸問題への技術的、政治・政策的な処方は、世界各国の専門家にお任せすることにしまして、従来の会議に欠落していた本質的なテーマで、またデロス宣言やハビタットの課題であります、自然との調和による自然回帰・即ち人間性の回復に焦点を当てた議論と実践を推進していかなければ、世界に蔓延する地球次元の問題解決には繋がらないとする結論から、本質的な問題解決への糸口を見出していくことが最重要課題であるとして開催する民間主導の地球会議であり、『デロス会議-』として位置付けました。

年々加速度的に増大する地球規模の問題は、先進国主導の政治的・政策的な諸方策では立ち行かないところまで来ており、宗教や民族の壁を乗り越えた人間性の本質にまで改善策を求めていかなければ、人災に病める母なる地球-ガイアを蘇生させ、人類が共に生存して行くことは、困難な時代を迎えることになるでしょう。

この有限なる地球に生きる私たち人類は、母なる地球に育まれながら共存していることへの感謝と認識を新たにし、今こそ自然との調和、自然回帰、そしてそれを通して人間性の回復とは何かを真剣に討議し、誰もが一人から実践していくことの出来る新しい村おこし、まちおこしから理想郷の建設に向けて立ち上がる時代が到来していることを皆様に提言したいと思います。

本日、ここ宮島の地にて第一回マザーガイア・サミットを開催いたします。本サミットが出発点となって、今後、村おこし・まちおこしに関わる皆様が結集する、民間発の国おこしサミットが全国各地で展開されていくことを願い、此処にマザーガイア・サミットの開催を宣言いたします。

第二部の討議では、自然との調和、自然回帰、人間性の回復に向き合って実践されている方々から事例を挙げながらお話しを頂きます。

今回のサミットは、母なる地球を生きた生命体と認識する視点から見つめ直していく人間性の回復が急務であると提言する女性たちによる、NPO法人マザーグレースの共催で開催される運びとなりました。本サミットは、ボランティアによる手作りの会議であります。不足なところは皆様の暖かいご理解とご協力を頂けます様、お願い申し上げます。

ご静聴ありがとうございました。

ページトップへ