第2部シンポジウム―デロス会議2 in 宮島

「自然との調和」・「自然回帰」による「人間性の回復」をテーマに
地球と調和共生する本来あるべき国づくりとはどのようなものかを討議しました。

地球会議:デロス会議2 in Miyajima

デロス会議2 in Miyajima

地球との共生は、私たち人間が病める地球の現状を人災と認識し、母なる地球に育まれた自然と調和し、原点に回帰した営みをいかに取り戻せるかに尽きるのではないだろうか。

第2部写真:デロス会議2 in Miyajima

地球は育みの惑星、生命を育む母親としてその営みを続けています。傷ついた母なるガイア・地球はどうしたら再生するのか?地球環境問題への長年の取り組みにも関わらず解決しないのはなぜか?わたしたちは、どこから何ができるのか?
「自然との調和」・「自然回帰」による「人間性の回復」をテーマに、真剣な多くのご意見と情報が寄せられましたが、今回はその中から「食」、「教育」、「村おこし」、「国おこし」の分野でご意見を下さった4名の方に提言を頂きました。
自然に触れることによる人おこし・人づくりからはじまった村おこしの具体的な事例も紹介され、人間性の回復をとおして地球次元の問題解決に繋がってゆくことが重要であるという結論が導き出されました。

まずは地球の問題を、人間中心の経綸が招いた人災という認識から見直してみること。
そして地球をすべての生命を育む生きた生命体であると理解し、循環し営まれる自然社会の秩序に、育くみ・育まれる理想的な新しい国づくり(人間居住環境)の定義を求め推進していくことがあげられました。

「ひとりから始める、村おこし・町おこし・国おこし」として、人づくりを主幹とした地域振興の推進。視点を変えたひとりひとりの意識と行動(自分おこし)から始める村づくり、町づくりが繋がって、やがては国づくりへという新しい国おこしの基本骨格が見える会議となりました。

提言:視点【食】食の改善 医療現場からの提言

提言:視点【食】食の改善 医療現場からの提言

福田氏提言写真

福田 雅隆氏 /医師

糖尿病の専門医として携わった経験や、研究結果から「食の質と量」がもたらす身体の老化への影響、東洋人と西洋人の身体的特徴と食生活の歴史、肉食中心から穀物・野菜中心への食生活が移行した場合の自然環境保護への効果について報告が行われた。

さらに、食材を生かした「おいしい」食べ方として、地球の生命の営みそのものである四季と風土に適応した旬の食をすすめている。

患者の自発性や積極性に効果を上げている自然の力を用いた医療の試みから、心身問題解決への新たな希望が見出されている。

提言:視点【教育】屋久島の自然が育くむ人間性の回復

提言:視点【教育】屋久島の自然が育くむ人間性の回復

礒邉氏提言写真

礒邉 自適氏 /屋久島自然教室塾長

「屋久島そのものが学校」、屋久島まるごとの大自然から教科を越えた総合的な学習への取り組みは、「生命」の育みに触れる感動を取り戻し、訪れる生徒たちの生きる力と心の回復へと繋がっている。しかし、帰る家庭の問題が改善されない限り本当の意味で子供が救われたことにはならない。自然の息吹を肌で感じて「生命がわかった!」と言って帰って行く子供たちとのギャップから生じる心の葛藤やすれ違いなど、子供を生かし育む役割である母親の問題をあげ、その意識と心の回復への取り組みとして母親も学ぶことのできる施設の建設を進行している。

「きっかけがあれば、楽しいところ、子どもがみな生き生きとするところから始まって、命とは何かというところまでずっと広がってゆくと思います。」

  

提言:視点【村おこし・町おこし】一人から始める 人づくり まちおこし

提言:視点【村おこし・町おこし】一人から始める 人づくり まちおこし

藤田氏提言写真

藤田 祐司氏 /TV番組・イベントプロデューサー

10年前、過疎化に悩む愛媛県のみかん農家のために、ひとりから動くことで始まったアルバイター事業が、大自然の育みと農家の人々との心の交流から、さまざまな問題を抱えた若者たちが2ヶ月で癒され見事に人間性の回復を成し遂げ人生の方向性を掴むまでに成長する成果を上げている。彼らが発信する感動の思いは共鳴した人々を呼び、結果的に雇用問題が改善され生産量の拡大に繋がった。教育問題と雇用問題に大きな成果を上げている事例として同じ問題に悩む農業関係者、教育者をはじめ行政からも注目が寄せられている。たった20人の募集から始めた試みが10年の間に1000人以上、みかんに関わる数々のドラマが、村おこしや人おこしの大きなムーブメントとなりさらに産地との交流が広がっている。

「感じたら動く、これが感動です。みなさんも感じたら動きましょう。入り口は遊びでもいいのです。でもきっと出口は文化になると思います。」

提言:視点【国おこし】民主導による新しい国づくりへの提言

提言:視点【国おこし】民主導による新しい国づくりへの提言

中村氏提言写真

中村 孔紀氏 /国土創生プランナー

なぜ地球問題の解決に至らないのか、国民が願う方向に機能して行かないのか。マンネリ化する改革の中で頭で考える国づくりでは限界に来ている。形の対策を行ってきた従来の議論に最も欠けていた部分は、「自然との調和」という視点であった。人口、食糧、環境問題など世界の諸問題は、結局人間の心の問題に原因があり心の貧しさがゆえの人災であり天災ではない。地球上の問題を人災とするならば人間の本質の問題から扱ってゆくしかない。これからの新しい国づくりは形を造るハード面の「町づくり」ではなく、人間性の回復まで踏まえた「人おこし」から始める「村おこし・町おこし」に至らなくては本当の国づくりには繋がらない。国という最小単位は村、村を構成する家庭、夫婦、親子の調和を基本とした人間の内面の問題も視野に入れて議論してゆくことが大切。

「本心から感じる素の意見をまとめ、小さな単位で村おこしのモデルを全国に広げてゆけるのは民間にしかできないことです。地域性に合わせた村おこしなど、ひとりひとりが種となって国おこしの渦を推進してゆきましょう。」

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